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生徒と接する時(6)


最後の最後に話しかけてくれた

いじめられっ子の男の子でしたが

私は結局、彼と話をすることは

叶いませんでした。

…それから2年後の春だったと思います。

その男の子から手紙をいただきました。

内容はと言いますと

先生お元気ですか?

僕はバスケの方で推薦をもらい

〇〇高校(バスケ強豪校)に通っています。

部活動の推薦ながら勉強の方も

学年でトップになった事もあるんですよ。

先生にはしっかりと挨拶をさせていただき

たかったのですが、突然転勤されたので

いつか手紙を書こうと思っておりました。

あの当時、僕は学校が楽しくなくて

人と話をするのも嫌だったのですが

一生懸命話しかけてくれる先生の話だけは

楽しく聞いてました。

先生が居なくなって、寂しかったけど

教室長の先生に「頑張れば大井先生も

どこかでそれを知ってくれる」と言われ、

頑張ってました。

先生に言われた言葉で辛い時こそ

笑い飛ばすっていうのを実際にやって

きたからこそ、学校も楽しくなったし

今の高校生活に結びついていると

思っています。

本当にありがとうございました。

僕にとって大井先生は最高の先生です。

こんな内容だったと記憶してます。

最後の一行とか自分で書くと恥ずかしいですね(笑)

でも、この手紙は

右も左もわからなかった私が生徒を

振り向かせるために必死で向き合った

「結果」であると受け止めています。

この仕事は、そういった行動一つが

一人の人間の人生すら左右させる

仕事であると認識した瞬間でした。

女の子の握手で私は認められ

男の子の手紙で私は確信したのです。

生徒と接する時は、まず仮面を外してから。

自分自身を知ってもらう事。

生徒を笑顔にして、心を開かせてから

頭の中に勉強を突っ込んでいく(笑)

決して上から目線で偉ぶってはいけません。

塾の講師は勉強を教えているように見えて

生徒達から教わる事の方が多い仕事なんです。

よって「感謝の心」を持って、接していった方が

自分にとってもプラスになる事が多いと

私自身は考えます。

アカデミアの生徒達は

「うちの塾長は変わっている」

と学校で言ってるようです(笑)

他の塾では考えられないのであれば、

それはそれで「塾の個性」ですので、

誉め言葉として受け取っておきます(笑)

ただ私のスタンスって奴を公言しておかなければ

「変わっている」=「変態」と受け取られかねないので…

あとは成績がボカンと上がりさえすれば

認知度も上がる事でしょう。

生徒達よ…私を変人呼ばわりするからには

期末テストで良い点を取るべく一緒に頑張るぞ!

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