詩・短歌・俳句を読み解くコツ
久しぶりに勉強の話。
今回は詩・短歌・俳句の話をしましょう。
国語の授業をしていると生徒から
「詩は苦手なんだよなぁ」という声が
上がる事が結構あります。
まぁ確かに、
一見した所で何を言っているか
よくわからない詩もありますよ。
それは認めましょう。
ただし、詩を作っている人の
身になって考えましょうか。
何か心に刺さるものがあったから
この瞬間を詩や短歌・俳句に
残そうと思うのではありませんか?
「ちっくしょー!やってられるか!」
っていう気持ちの時に、詩を書きますかね?
そう、詩・短歌・俳句っていうのは
作者の感動を文字に起こしたモノ
なんですよ。人によって心に刺さる
状況ってのは違うのかもしれませんが
少なくとも作者の感情が「怒り」
とか「どうでもいい」というモード
の時の話では無いという事です。
ポジティブな時に作った詩なんです。
だから問題を解くときは
「作者は何に感動したのかな?」
という考え方で解きます。
詩の難しい所は
作者によって「型」が全然違う
だからパッと見だけだと戸惑ってしまう。
ただし、どの作者も伝えたい所は
しっかり強調している。
国語の問題はそこを聞いてくる。
だから、作者が強調している所を
探せばおのずと答えは見えてくる。
強調?って思うかもしれません。
強調する所は必ず表現技法を使います。
例えば、動物園に行った時に
目の前で立ち上がった熊が大きかった事
に感動したのであれば、
その熊の大きさを別の言葉に言い換えてます。
「目の前に現れた黒い大木」みたいな…
『大きな熊』ではなく『黒い大木』と
言い換えているという事は
ここに作者の感情が出ている事になります。
同じようにヒマワリ畑を「無数の太陽」と
言うなら、たくさんある大きなヒマワリに
感動したのでしょう。
これは「比喩」と言って、自分が見たものを
別の何かに例えて伝える表現技法です。
別の何かに例える事で、聞き手にイメージを
させやすくなるでしょう?逆に言えば、
作者は聞き手に「ここだけは
イメージして欲しい」のです。
だって、そこに感動したんだもん!
ってな感じですよ。
こうやって詩の問題は
表現技法から作者の心を丸裸に
していきます。表現技法の技名も
さることながら、詩をみていたら
おかしな言い回しに気付くはずです。
そこが作者の感動ポイントですので、
それを一つ一つ抜き出せば、
作者は何に感動してこの詩を書いたのか
わかるようになりますよ。
ただでも短い詩の中に
表現技法を使ってでも伝えたい何か。
それが作者の感動の中心であることは
言うまでもないと思います。
詩・短歌・俳句だけではなく、
1歳から5歳くらいまでの子供向けの絵本
に書いてある短い文章にも
表現技法は、随所にちりばめられています。
子供向けですから表現技法も単純です。
「反復」を使うんです。
何度も同じ擬音語や擬態語を使うので
その言葉に不思議さを感じ、
絵本を読んでくれている親御さん
保母さんや幼稚園の先生と一緒になって
小さな子供はその言葉を繰り返し始めます。
キャッキャ、キャッキャと笑いながら、
一緒になって言い始めるんです。
親御さんは気づいてないかもしれませんが
私はこれが初期の国語力だと考えます。
何度も反復して読んでいるうちに印象に残る。
その音は何の音だ?と考えた時、
実はその作品のキーワードだったりするんです。
すなわち絵本を読んであげる事は、
子供の国語力に直結します。
本を読まないから国語が
できないのではなく、子供が小さい頃に
本を読み聞かせする時に、どれだけ子供に
興味を引かせるかというのは
とても大きな要因ではないかと思います。
大きな巨人の言葉なら
太く重い言葉で話してあげる
小動物の言葉なら細く高い声で話す
などの工夫をしながら読み聞かせると
絶対に子供はニコニコです。
本は楽しいものと思わせる事から
始めましょう。
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