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今日のブログは長いです(笑)


本日の朝、久しぶりに10℃を

下回る気温になっておりました。

いよいよ冬の足音が

聞こえてきた気がします。


大嫌いな冬!


ふぅ~言ってやった…(笑)

嫌いなものは嫌いと言える人間に

なりたいと思っていたので、

いい練習台です!寒いんじゃ!



さて、この時期の中学生は

どんな事をしているのでしょうか?


私はこの時期になると

合唱コンクールを思い出します。

昨年、今年はコロナの影響で

合唱コンクールが中止に

なっている所が多いようですね。


私は中2の時に指揮者を

やりましてね。

元々、興味はあったのですが

いざやるとなると、

なかなか難しいんです。

指揮者って、ただ闇雲に

タクト振り回してるだけじゃ

無いんですよ(笑)


自分のクラスの合唱を楽譜通りに

仕上げていくんです。

クレッシェンドやデクレッシェンド

フォルテ・ピアノ、止める所は止めて

伸ばすところは伸ばす。

こういう当たり前の事を当たり前に

やらせつつ、そこに感情を入れていく。


私は自分のクラスの男子・女子の

心を一つにするために、策略を

練っていました。


当時の私の学年は合唱コンクールに

結構力が入っておりましてね。

各教室はスゴイ早い時期から練習を

始めていたんです。早い所だと

2か月くらい前だったと思います。

「課題曲が決まってすぐ」くらいの

タイミングです。


私のクラスは一向に練習をしません。

いや、私が練習をさせなかったんです。


特に中2ですからね、放課後の練習

なんかより部活に行きたい生徒の方が

多いんです。特に男子。


女子たちは早く練習をしろと言い

男子たちは部活に行きたいと言う…

そんな状態で合唱の練習など

できるはずがないってのは

分かっていたんです。


全員が「練習したい」と

思わせるには練習をせずに

ジッとして、放課後に他のクラスの

歌声で廊下が埋め尽くされるのを

待っていました。


そしてコンクールまであと3週間くらい

という時に、男子たちからも

「大井くん、そろそろ練習しないと…」

って声が聞こえはじめたんです。


その声を待っておりました。

合唱は全員が心を一つにしなければ

成り立たないんです。音は取れても

音が乱れて私が注意した時に

「うるせーよ」などと反論されては

練習の意味が無い。そんなの

声帯の酷使でしかないんです。


そんなこんなで私のクラスは

一番最後に練習を始めたワケですが

上達はとても早かった…それは、全員が

待ちに待った練習の中で、私の指示を

スポンジのように吸収してくれたから

だと思っています。


とはいえ、合唱のイロハも知らない

中学生を一斉に歌わせると

地声を出すモノ、ずっと裏声のモノ

音を外すモノ、抑揚が全くないモノ

などなど、問題点が一気に噴出します。


その都度、音を止めて

「アルト、地声うるさい!」

「ソプラノ!そこキンキンさせないで!」

「テナー半音下がってるぞ!」

「バスの中に音わからない奴いるだろ?」

とガミガミ指導していきます。


知ってます?完璧なハーモニーを

中心で聞いていると、頭の奥に

すごくキレイな「ピーン」って

音が聞こえるんです。


音の共鳴っていうんですか?

そこに地声が混ざると目立つし

裏声ばかり目立つとキンキンするし

音がオカシイと絶対に共鳴しない…


歌わせて、少しでもオカシイなら

すぐ止めてまた歌わせて…

これを繰り返します。

でも、私の練習は30分+αと決めて

いたので、その日のうちに改善せずに

終わる事も普通にありました。


色々な中学校に合唱部があります。

その指導者によって意見が分かれる

所なのですが、私は合唱は、

そもそも長い事練習するものでは無い

と考えています。


だって声帯が疲れてしまうでしょ?


「そうやって鍛えているんだ」

って人もいると思います。

でも、ずっとその道で食っていくなら

話は別ですが、1年ある中の

たった一日の為に声帯鍛えます?


全国大会の常連だった

旭丘高校の合唱部も練習時間は

1時間以内であったと

聞いたことがあります。


そう、指揮者は歌う人の声帯を守る事も

仕事の一つなんですよね。


とにかく、その短い時間の間に、

どれだけ楽譜に忠実な合唱に

近づけていくか。それが私の目的でした。


本番も近づいてきたある日

放課後練習の最中、一度だけ

「完璧」に最初から最後まで

歌いきれたことがありまして…


指揮者としてクラスの中心で

最高のハーモニーを仕上げた感で

胸が一杯になった事がありました。


あの時は感動しました…


あれ、歌っている側も

わかるんでしょうね。

歌い終わった後に「おお!」みたいな。

ちょっとザワつくくらい完璧で。

「俺たちもやればできるぞ!」

みたいな一体感。


これは嬉しかった。

「よし!完成した!」って思いました。

これで最優秀賞獲れるぞ!と。


でも、この状態になるのが

2、3日早すぎたんでしょうね。

当然、そこで練習を止めるワケにも

いかず、ダラダラと練習を続けたのですが

同じくらいの完璧は得られないまま

本番を迎えまして…




結果は…最優秀を逃し、

2位にあたる「優秀賞」でした。

あの放課後練習の時の

パーフェクトな歌がピーク

だったらしく、少しずつ

質が落ちだした所で本番だったんです…


いや、本来ならその「完璧」を

維持させる事こそ、指揮者の技量

なのかもしれません。


ただ、私は結果について後悔は

しませんでした。なぜなら、

練習の末、全員が完璧な合唱を

知る事ができたのだから。


本番はピークを越えてしまい

下がり目だったのかもしれませんが

クラスの全員が「最高」を知れた

という事に満足すらしてます。


「最優秀」を取った他のクラスの歌は

私たちの「最高だった時の歌」の

足元にも及ばない内容であったと

誰もが思っていた事でしょう。


申し訳ない話ですけど、

私は最優秀指揮者賞という

栄誉ある賞を頂きましてね、

そこから2年連続で卒業式の

全体合唱の指揮者までやらせて

頂いたのですが、正直嫌でした。


自分のクラスすら頂点に

立たせられない指揮者がなぜ

最優秀なのか…


でも、その発表があった時に

他のクラスのヤンキー君たちが

「あぁ、大井なら納得だわ」

って言っているのを聞いて

妙に嬉しかったです(笑)


当たり前の話ですが

私は外側から自分の指揮者っぷり

を見る事はできません。


普段、まともに歌も歌わない

悪ぶってるヤンキー君たちが

そう言ってくれるなら、

この賞をありがたく頂いても

良いのかな?って思いました。


今現在、こんな熱い思いで

合唱コンクールに臨む学校なんて

あるんだろうか?

なんであんなに合唱に熱中できたのか?

全くわかりません(笑)


私の中学時代の秋の思い出。

何かに自分を捧げた数少ない思い出です。

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