判断力①
医者になる為には相当量の勉強を
しなければいけません。専門の理科や
カルテや研究資料を読むために使う英語は
当然のことながら数学も国語も社会だって
できなければいけません。
よく生徒に聞かれるんです。
なんで将来なりたい職業に必要のない科目まで
勉強しなければならないのか?と。
でも、これは例えば社会が苦手な生徒が、
自分を正当化するために、ムキになって
私に訴えかけてくる場合がほとんどですけど(笑)
勉強をしなければいけない理由は
人それぞれ違うのかもしれませんが、
私は将来の選択肢を広げるため以外に
もう一つ理由を述べるなら、判断力を
養う為であると思っています。
すごくショッキングな話になりますけど
冷静に考えてみて下さい。
事故に遭い、顔が青ざめ、脈も浅く
血圧が低下しているという、死ぬ間際の患者が
運ばれて来たとしても、外科医は
メスでお腹を切り裂いて、そこに指なり
器具を突っ込んで患部を探し、治そうとするんです。
患部によっては、自分の専門外の場所かもしれない。
それでも、医者はそこを探して、応急処置をする為に
何かしらの処置をします。
なぜ、そんな事ができるのか?
彼らは膨大な量の医療知識を学びます。
外科医でも内科医でも麻酔医でも
医学については一通りの知識を有しています。
その膨大な量の知識をもっているからこそ、状況を見て
考えて、瞬時に「判断」して手にメスを持つのです。
その判断を鈍らせる要員があるとするなら、
「知識が無い事」ではないかと私は思うのです。
いざという時に自分の判断を推してくれるのは
誰かのGOサインではなく、自分の知識なんです。
脳みそのあっちこっちから情報を引っ張り出して
目の前の現状に重ね合わせて、自分がすべき行動の
実行手順と実行方法を想定し、実行する。
高校受験・大学受験というのは、その予行演習
みたいなモノなのではないかと思うんです。
ここまでの私の話だと、
別に医者じゃなくても良いモン!
と、駄々をこねて、やっぱり勉強はしたくない人が
出てくると思われるので…(笑)
次回は別の観点から知識の積み重ねが
重要になるって話をしましょう。