イマドキの子供(2)
自分で考える事ができる子供ってのは
どんな環境で育っているのか?ってのは
子供を抱える親として、
非常に興味深いですよね。
あ、人は人、うちはうちって感覚の人は
あんまり興味は無いかもしれませんが…
私も17年で600人近くの生徒と
関わっていますので、その経験を元に
話をしますと、少なくとも保護者が子供に
「過干渉」って事は、まず無いです。
基本的になんでも子供自身に決めさせます。
それが幼少期からできている所は
子供も無茶な判断をしないんですよ。
現実的な判断にプラスαしている。
保護者は、そのプラスαがわかっているんです。
「つかず離れず」っていう言葉がぴったり。
過干渉になると、子供は自分で考えなくなります。
親御さんの指示通りっていうのは
よく言えば近道、悪く言えば味気ないんです(笑)
今の子供たちが「近道」をしたがるのは
そこからの影響でしょう。
勉強における近道っていうのは、
問題があったとして、その問題の解法ではなく
解答さえわかればそれで良いという感覚です。
ハッキリ言えば、この手のお子さんの多い事…
この手のお子さんが社会人になると、
先輩社員にこんな質問をします。
「どうすれば、実績を上げられますか?」
いかに百戦錬磨の先輩社員であったとしても
そんな質問に即答できるくらいなら
チマチマ会社で営業なんてやらないで
自分で独立するでしょう?
そんな事すらも考える事ができないんです。
先輩社員はこう言います。
「最初は何でもやって、失敗もたくさんしなさい」
あー良い言葉ですね。本当にその通りです。
最初のうちの失敗なんか、この先輩が全部フォロー
してくれるんでしょう…しかし、考える事ができない
この若手社員は、その意味が理解できません。
「失敗しても良いって、どういう事ですか?」
こんな突発的な発言をして先輩社員を驚かせます。
少し、脇道にそれましたけど、
私の言いたいことがわかりますか?
今まで親の言う通りに近道をしてきた子供は
失敗するって事を知らないんです。
人間は知らない事に対しては恐怖がありますよね。
社会人になって初日か二日目で、ガッチガチですよ。
だから新入社員っていうのは、
早い段階で会社を辞めるんだろうと思います。
それなりの理由をつけて辞めていきますけど
入社一年の段階で10%以上の新入社員が退社するのは
私に言わせれば「坊や(お嬢ちゃん)だからさ」
ってなもんですよ。
私はそういう大人になって欲しくないから
塾を立ち上げたんです。自分で考えて解く…
それが間違っていても良いんです。
どう考えたかが重要。
それでもやっぱり、
答えにしか興味が無い生徒もいますけど…
だから、答え合わせした後で
「あれ?どうしてこの答えになるんだっけ?」
と、また質問をぶり返してみたりします(笑)
そうすると、その生徒の周りの生徒が教え出すんです。
これ、独立して3年やってわかりました。
教えてくれた生徒に関しては、
今後、この問題と同じような問題は間違えません。
考えに考え抜いて間違えていた場合、
答えではなく解法に興味が湧くのです。
自分の何が間違っていたのかを認識する事で
考え方を修正できるのです。
よって、正しい考え方を理解した時に
「誰かにそれを伝えたい」という
欲求が芽生えるのかもしれませんね。
では、当塾に入る以外に、どういう接し方を
すれば「自分で考える」ようになるかを
考えていきたいと思います。