合唱コンクール
懐かしい響きです。
うちの生徒達も今月末に
合唱コンクールがあるそうで。
私は中学2年生の時に指揮者を
していました。元々、合唱団にいたので
そこら辺は詳しかったんですよ(笑)
私の指揮者っぷりは意外に評判で
なんていうんでしょう、鬼気迫るものが
あったんでしょうね(笑)
私には作戦がありましてね。
他のクラスが1カ月前からとか
練習し始めるんですけど、私は
それを横目に一切練習をしませんでした。
ソプラノやアルトのパートリーダーが
「大井くん、練習しないとマズイって」
と言ってこようが完全無視。
2週間くらい前になって、クラス全員が
ソワソワし始めた時に帰りの学活で
「練習を始めた方が良いと思う人は?」
と聞いて全員が挙手したのを見て
ようやく練習を始めました。
これは、全員の気持ちを一つにする手段です。
たった一人でも「練習をやらされている」と
思ってしまう状況は合唱にとっては良くないんですよ。
その代わり、練習における私の要求は
結構厳しいものだったと思います。
「アルト!地声で歌うな、うるさい!」
「テナー!聞こえねーよ、もっと声出せ」
「ソプラノ!音ずれてる!」
「バス!やる気あんのか」こんな感じ。
でも、ギリギリに練習を始めているので
みんな素直に私の指示を聞いてくれるため
メキメキと上手になりました。
まず私が取り掛かったのは
「音を守る」です。特に高音域のソプラノは
音がずれやすいんですよ。半音ズレならまだしも
普通に1音ずれている人もいる。
これが何人もいるから、指揮者の位置で聞くと
ヒドイ音なんです。その音で主旋律を歌うと
ハモってるアルトやテナーがまともな音を出していても
ズレて聞こえるんです。いわゆるオンチです。
これを守らせるために、一人一人と言わずとも
前列・中列・後列それぞれに歌わせました。
これだけ人数が絞られると、自分自身で
「外している」事に気付くんですよね。
外している人は慌てて、他の人の歌を聴くようになる
そうすると、少しずつですけど音が直ってきます。
次に「地声の訂正」です。
ソプラノやバスに比べると、普段話をしている音域が
メインのアルト・テナーは大きな声で歌おうとすると
どうしても地声を張り上げてしまうんですよ。
そのたびに「アルトうるさい!」とか
「テナー、ガナるな!」とか私に言われます。
地声なので、誰の声かはわかります。
なので「アルトうるさい!」って言いながら
うるさい人の顔を見るようにしました(笑)
それで随分と地声は無くなりました。
最後に徐々に歌が良くなっている事を
歌っている側のクラス皆にわかってもらおうと
しました。私が訂正した所をその通りに
歌ったら良くなったという事実を
歌っている人間が理解する事が上達する
一番のクスリです。
これは塾の講師になってからも
私自身が大切にしている事なんですよね。
生徒自身が自分の成長を認識する事…
さて、これらを実行してコンクール自体は
どうなったかと言いますと。
実は最優秀賞を逃しました…
私自身は最優秀指揮者賞を
もらえたんですけどね…
正直、嬉しくもなんともなかったです(笑)
審査員の寸評を聞くと
「ソプラノ・アルトの声が疲れているように思えた」
との事でした。
教室に戻ってきた時に、
ソプラノ・アルトのパートリーダーから、
合唱コンクールの前々日あたりから
ソプラノとアルトで集まって自主練してた事を
告げられました。
心の中で「ふざけるな」と叫びつつ
「それに気づかなかった僕が悪いので…」
と言いながら謝罪するという男前な行動を取り
私の指揮者っぷりは伝説になったという事です(笑)
いやぁ~懐かしいですねぇ。