孟子の教え
私がまだ塾講師として駆け出しのころ
授業中に生徒が「だってできないし…」とか
弱気な事を言うと、必ず言っていた言葉が
「できないんじゃなくて、やろうとしてないんだろ」
でした。今考えると結構厳しい言葉ですよね。
当時の生徒がかわいそうですよ。
そんなキツイ言葉言わなくても良いのにね。
当時の私が「怖い先生」って思われても仕方ないです。
当時の私は思った言葉を後先考えず
ペロっと吐き出してしまうような暴走講師だったんですね。。
でも、この言葉、結構深い。
私自身にも当てはまる言葉…
今までの人生で、この時の生徒のように
「できない」と諦めていた事は多々あります。
その時に、他人に向けて言い放った言葉が
自分自身に向けられていれば…
どうして、そんな事を思い出したのかというと
本日の朝、たまたま車のラジオを聞いていた
のですが「賢者の名言」っていう3分くらいの
番組と番組の間でやっているコーナーが
あるのですが、そこで聞いた名言が
「能わざるに非ざるなり、為さざるなり」
という言葉でした。
(「あたわざるにあらざるなり、なさざるなり」と読みます)
これどういう意味かと言いますと
「できない事など無い、やってないだけだ」
っていう意味ですね。最初に記載した
私の言葉と一致するんですよ。
これ、中国の儒学者である「孟子」の言葉
だそうですよ。孟子がスゴイかどうかは
よくわかりませんが、儒学において歴史的に
名を残している先生の考え方と、私の考えが
一致していたという点においては、
「ほ、ほう…」と思わざるを得ません(ドヤ顔)
儒学・儒教というのは人間の道徳を説いた教え
哲学は人間の本質を説いた教え
現実的な儒学に対し、哲学は現実的ではない
と言われています。
私の言い放った「やろうとしていない」という考え方は
非常に真っ当で現実的な考え方ということです。
ただし、現実を突きつけられると、
人間というのは落ち込むものです。
この「人間というのは」っていう考え方が哲学です。
学校の先生ならまだしも、塾の講師の私が
そんな事を言ってはいけないんですよね。
やろうとするも何も、何をやっていいのか
わからないから塾に来ているのですから…
もう少し哲学的にモノを考えて
発言しないといけないなぁ。