姉貴の霊感
みなさんは霊感って奴を信じますか?
私は元々現実的な人間でして、あんまり
そういう科学で解明できないものを信じる
人間では無かったのです。
青年時代のあの出来事が起こる前までは!
私には姉貴がおりまして、基本的には
天然ボケの不思議ちゃんなんですが
人生経験が豊富なので、色々と頼りになる
姉貴なんです。
私がまだ実家にいた、ある日の日曜日です。
私は朝、茶の間で寝間着姿で新聞を読んで
いたところ、まだ寝ていたはずの姉貴が
ツカツカと2階の自分の部屋から起きてきて
突然電話を掛けるんですよ。
私は目こそ新聞に向けているものの、
朝からどこに電話を掛けようとしているんだ?
と訝しく思っていました。
すると姉貴は
「あ、おばあちゃん?あのさ…」と
突然話し始めたんです。
普通、最初は「もしもし」とか「久しぶり」とか
何か挨拶を入れるものでしょう。
それが肉親である祖母に対してだとしても
核家族である限り、そういう前フリは必要だと思うんです。
しかし、その時の姉貴は淡々としていました。
さっきまで寝ていたはずなのに、声もしっかりと
いや、むしろ、いつもより大きな声だったかもしれません。
「隣の部屋の仏壇あるでしょ。うん。おじいちゃんの。
仏壇の左のロウソクの火がつきっぱなしだから、
消してほしいのさ。うん。そう。それだけ、じゃあね」
それだけ言うと、姉貴は何も言わずに
2階の自分の部屋に戻って行きました。
5分も経たずに、今度は我が家の電話が鳴ります。
今度は私の母が電話を取りました。
「あ、母さん、うん。うん。そうだったのかい。
あの子はね、そういう所あるから…」
そんな感じで延々と話してましたね。
どうやら、姉貴が言った通りに仏壇の
左のロウソクに火がついていたようで
「ありがとう」という意味の電話だったみたいです。
これ、目の前で起こった出来事なので
かなり普通に見えますけど、よく考えたら
トンデモないほどスピリチュアルですよね(笑)
祖母は元々住んでいた家を道路拡張の為に
立ち退かされて村営の住宅に引っ越していた
のですが、姉貴は一度もその家に行ったことが
無かったんです。だから電話で仏壇の話をしてましたが
そもそも姉貴の「隣の部屋」って言い方すら
おかしいんですよ。新しい祖母の家の中を
見た事が無いんですから…
そして、左のロウソクという限定的な言い方ですね。
さも、今、見てきたような言い方ですが、
祖母の家は洞爺湖の近くです。
札幌からは100キロ近く離れているって事です…
2時間後に起きてきた姉に
「お婆ちゃんからありがとうって電話来てたよ」
と伝えた時の姉の反応は「ふ~ん」って感じでした。
ドヤって顔するでもなく、かといって
覚えていない感じでもないという…
それから何日か後に、姉貴がうちの父親に
「墓参りに行きたい」と唐突に言い出して
二人で墓参りに行った時に、
初めて祖母の家に入った姉貴は、
祖母の家の間取りを全部知っていたらしいです。
祖父の仏壇がどの向きにおいてあるのかも
「見た通りだった」と言ってました。
え?「見た」通りって?どこで見たのさ…
この一件以降、私はある程度のスピリチュアルな
出来事については、そういう事もあるかもしれないと
認識するようになりましたよ。
昨日、誕生日を迎えた姉貴。
おじいちゃん、おばあちゃんに守られている姉貴。
これからも色々と面白い人生を送って下さい。
そしていつか美輪明宏さんみたいになって下さい(笑)