大学の講義にて
私が大学生だったころ、
一度だけ教授の授業に
猛反発をしたことがありました。
それは、生命科学という
一般教養の授業だったのですが
本題に入る前に、
教職カリキュラムの責任者でもある
その教授が学校教育における
「イジメ」がなくならない理由について、
持論を展開していた時でした。
教授は学級におけるを組織図を黒板に
書きだしたのですが、教授によれば
ヒエラルキーの頂点に教師がいて
2番手にいじめっ子・3番手にその他大勢
4番手にいじめられっ子という構図でした。
それを指さしながら、なにやら熱く
語っていましたが大講堂でその話を
聞いていた学生側は「ザワザワ…」
そうです。
その構図こそが間違っているという
指摘をしたいんですが教授が口角に
泡を溜めながら間髪入れずに話しているので
ザワザワ騒ぎ始めたんです(笑)
講堂の中段で話を聞いていた私でしたが
そこですら教授の話が聞こえない程、
騒がしくなってようやく教授は場内の異変に
気が付きました。
「なんですか?何で私語してるの?」
自分の講義に水を注され少し機嫌が悪くなった教授。
私の横に座っていた、私の友人が第一声を放ちました。
「そもそも、その図が間違ってますよ」
場内から「そうだ!」の声。拍手をする学生もいます。
「何が違うって言うんですか?」と教授。
「教授は実際の現場を見た事があるんですか?」と友人。
「私はいわばプロです。長年の研究の元で話してます」と教授。
このままだと、友人がマークされてしまって
単位を落としてしまってはかわいそうなので、
私が立ち上がって友人の援護射撃をします。
「その図なんですけど、教師は
いじめっ子よりも下位にいると思います。」
場内から「オオ~」の声。
完全にテンパった教授は「どういうことですか?」と私に聞きます。
「ですから、むしろ教師がいじめっ子の顔色を
伺っている傾向が多いという事です」と私。
場内からさっきよりも大きな拍手。
「それは、特殊な例の話ですよね?私は一般論を…」
と教授が話し出した所で、別の学生が立ち上がり
「ここは大学です。全国から学生が集まっている中で
この反論にこれだけの人間が賛同しているんですから
それは特殊な例の話と言い切れないのでは?」とさらに反論。
場内、割れんばかりの拍手(笑)
これに教授がキレます。
「私の話が聞きたくない学生はここから出ていけ!」と。
私の友人が立ち上がり、私も立ち上がり、
他の学生も立ち上がって、ほぼ全員講堂から退出しました(笑)
寝ている学生を除いて…
自分の大学が決して優秀な大学だとは思いませんが、
あの時は少しだけ、大学っていうのは学生一人一人が
しっかりと自分の考えをもっているんだなぁと感心しましたね。
最近のネットのニュースで
「担任がいじめっ子の味方」というニュースを見て
20年以上前の私たち学生の反論はやっぱり間違って
いなかったんだと、改めてあの時同じ場所にいた
学生たちを同じキャンパスの同志として誇りに感じました。
この講義の私の成績は「可」でしたけれども…(笑)
この一件で全員に単位をあげないような
ナンチャラの穴が小さい教授では無くてよかった…(笑)