歌詞の王様
「さだまさし」さんという
アーティストをご存知でしょうか?
私は幼少のころから
この方の歌を聞いてきました。
「関白宣言」「道化師のソネット」
「精霊流し」などなど代表曲は多数。
グレープというフォークデュオから
その輝かしいキャリアはスタートし
当時乱立したフォークデュオでしたが
途中でバイオリンを弾き出すという
差別化で売り出していたんでしょう。
でも私は思うのです。
さだまさしさんの他アーティストと比較した
最大の差別化はその「歌詞」であると。
さだまさしさんの作る歌詞は
全てにおいて一切の手抜きがありません。
時には寄席のネタかと思うような上手い事を、
時には涙腺が崩壊する物語を、
時にはうーんと考えさせられるような歌詞なんです。
とある裁判で、裁判長が判決理由を述べた後に
反省をしていないと思われる容疑者に対し
「さだまさしさんの『償い』という歌を聞いた事はあるか?」
と話し出したのは有名な話です。
で、この償いっていう歌が泣けるんですよ。
交通事故を起こしてしまった青年が被害者の奥さんに
ずっとお金を送り続けているっていう歌なんです。
被害者家族がかわいそうだと思う感情って
普通に抱く感情だと思うのですが、
加害者のその後にスポットを当てたこの歌の歌詞は
とても考えさせられます。交通安全指導でも
この歌を聴かせる所があるようですね。
確かに、激しい事故の映像を見せられるよりも
この歌を聴いた方がグっとくるかもしれません。
さだまさしさんの代表曲で
「親父の一番長い日」っていう歌があります。
12分30秒というタイトル通りの長い歌なんですけど(笑)
これ、自分の妹が誕生してから結婚に至るまでの半生と
そこに絡んでくる父親の存在を兄として見届けている歌
なんですよね。なんか娘を持つ親として聞くと凄く泣ける歌です。
で、この歌には続きがありまして
「ママの一番長い日」っていう歌なんですけど
その妹が結婚してからの話でして…これ号泣しますよ(笑)
二つ合わせて26分というとんでもない長さの歌ですが
ショートムービーを聴くと思って聞いてみて下さい。
歌詞をよーく聞いて下さいね。
ここまでは泣ける歌ばかりなので
なんだやっぱり、さだまさしは寂しい歌ばかりじゃないか
と思われている皆さんにお勧めの歌は「雨やどり」です。
この歌は現代の落語だと思います(笑)
笑えるし、オチもあるし、全て聞き終えてから
「あ~なるほど上手い!」って思います。
これらの曲以外にも神がかっている詞を持つ歌を
何曲も輩出しているさだまさしさんは
歌詞の王様と言って良いアーティストだと思います。
是非、聞いてみて下さい。