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塾の講師(3)


おしどり夫婦の馴初め話をきくと

「第一印象はあまり良くなかった」という

パターンは良くある話ですよね(笑)

私の経験上でも第一印象は

あまり良くない講師の方が

最終的に良い講師だったりします。

最初は面接試験の日程を決めるために

電話をするんですけど、

それが私にとっての第一印象です。

1回目、2回目と電話を掛けても不在で

ようやく繋がったと思ったら、

不機嫌そうな声だったり

抑揚の全くない棒読みのような返事だったり

私にとって「右腕」とも呼ぶべき存在になった

講師さんは、みんなこんな感じでした(笑)

電話を切った後に「こいつ…不合格だな…」と

どちらも言ってましたから。

最初の「右腕講師」は教育学部の学生でした。

教育に対する考え方が熱い人でして

どんなに難しい生徒に対しても

真正面から向き合ってくれました。

とある男子生徒がおりまして

野球は上手なんですけど数学が全くできない生徒

だったんですけどね、この講師は一生懸命

彼に百分率の計算を教えていました。

「これができなきゃ打率計算ができないぞ」と。

それでもなかなか数学の苦手は克服できない

この生徒は期末テストで6点だか8点しか

取れなかったのですが、その正解だった所を

メチャメチャ褒めておりまして

普通はシュンとなる表情を明るくしてくれてました。

この講師が「生徒の表情を見ながら授業しろ」と

他の講師たちに教えてあげていましたね。

大事な事だと思います。

どうしても「今日はどこまでやらなければいけない」と

自分の事しか考えられなくなりそうな塾の講師ですが

生徒の表情を見ていれば理解しているかどうかを

判断できるものです。

それを改めて教えてくれたのが、この講師でしたね。

彼は講師のリーダーとして

何年も私の右腕でいてくれました。

新人のバイト講師に授業指導する仕事を

先輩講師が担うというシステムを作ってくれたのが彼です。

社員の私が授業指導すると「命令」になってしまうのを

同じバイトの講師という立場で迷いや悩みを聞きながら

指導するこのシステムは新人の早期離脱を

大幅に改善してくれました。

尚、彼が2006年から大学の有志を集めて始めた

北大サタデースクールは札幌市内の不登校者に対して

ボランティアで勉強を教えるという試みは

現在も続いているようですね。

本当にすごい人に支えられていたんだなと

改めて思います。

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