救急車を呼ぶ②
久しぶりの続き物ですね(笑)
昨日のあらすじを説明しますと
私が以前勤めていた塾での話ですが、
夏期講習会の真っ盛りに他の教室から来てくれた
講師が暑さのあまり、ぶっ倒れまして、
慌てて救急車を呼んだという話でした。
しかし、この話には続きがありまして…
救急車の中で救急隊員に言われたのが
「すぐ近くの医院に搬送します」との事
教室から徒歩5分の「〇〇医院」
昔ながらの病院で玄関のドアからして木造。
現代のようなサッシ枠ではなく木枠に木のドア、
中央に薄い掏摸ガラスの窓、ドアを閉めると
その窓のガラスが「カシャン」という音を立てるような
古い作りの病院。
救急隊員は講師を乗せたストレッチャーを
中年の看護師さんに導かれながら
診察室に運び、そこのベッドに講師を横たえると
「お大事にどうぞ」と言って去って行きました。
講師もその時には具合は悪そうながら
意識もハッキリしていたので、
二言三言の会話をしていた矢先に
医者の先生登場!これがヨボヨボのおじいちゃん。
志村けんのコントに出てきそうな医者と
いった方が具体的かもしれませんね(笑)
ちょっと震えている手で講師の目の下を見て、
手を額にあてて熱を測り「あー熱いわ」と
聞こえるか聞こえないかの声で言ったかと思うと
「おう、若いの!手首で脈を計ってごらん」
と言い出したんです(笑)
「聞こえないのか?若いのに耳が遠いのか?」とか
言い出したおじいちゃん(笑)
聞こえてたんですよ、でもまさか、
救急搬送の付き添い人である私を
医療行為に加担させると思わないでしょうよ…
「あ、はい、やってみます」と私は講師の手首をつかみ
自分の腕時計を見ながら脈を計ってみました。
「少し早いと思います」と答えると
「ほほぅ~筋が良いなぁ~」と喜ぶおじいちゃん(笑)
「これ完全に熱中症ね、この子はアトピーがあるだろ?
アトピーがある人は熱中症になりやすいのよ。
特に水分補給をこまめにして、
涼しいところで安静にしていれば治るから。」
と、おじいちゃんは少し訛りの強い言葉で一気に言うと
「そうだ若いの、悪いがそこのコンビニでスポーツドリンクを
買ってきてくれないか?」と、再び無茶ぶり…
あれ?点滴とかするんじゃないの?(笑)
言われるがままにポカリをサンクスで購入して
病院に戻り、横になっていた講師にあげました。
その時には彼の顔色もだいぶ元に戻っていて
彼も半笑いの表情+小声で
「面白い医者ですね」って私に言ってきました(笑)
面白過ぎるわ!ってのが私の感想でしたが
多少なりとも不謹慎なので軽く笑って頷くだけで
それ以上は私も何も言いませんでした。
その時、当時の私の上司が病院にやってきて
「後の事は私がやるので、大井さんは帰りなさい」と
いきなり撤収命令を出す上司(笑)
とりあえずその講師に謝罪と
おじいちゃん医者には感謝を述べて、
そのまま帰らせていただきました。
後で聞いたところによると、
上司が彼に家までのタクシー代を渡し
そのまま私の教室に来て、
彼が受け持つはずだった授業を上司が
見てくれたとの事でした。
ドタバタの中ではありましたが、
きっちり面白ハプニングを搭載しておりました。
でも、この日以来、教室に設置するクーラーに関しては
かなり細かくチェックするようになっています。
講師がぶっ倒れたってだけでもかなりヤバい話ですけど
これが生徒だったら大クレームどころか
ニュースのネタになってしまいそうな話ですからね…
いや、ほんと生徒じゃなくてよかったと思います。