部下への信頼(2)
久しぶりの続き物ですね。
何でも一人でやろうとしていた私
80人を超えて完全に限界を知り
社内で唯一尊敬していた先輩に泣きつくと
「預けてしまえ」というアドバイス。
そこで15人ほどの小学生を
フリーター講師に預けてみると…
ってのが昨日の粗筋です。
さて、そのフリーター講師ですが
少し変わっているというか
不思議な感じがありまして
真面目なんですけど、
それが度を越しているもんだから
面白いくらいで…
私がその真面目さに笑っていると
「何か面白いんですか?」とか
真面目な顔で言うもんだから
笑いが倍増する…そんな男でした。
彼に小学生を預けようと思ったのは
単純に彼が小学生を一番多く担当していた事
そして、小学生に対しては
仕事に対して絶対に手抜きなどしない
真面目な講師が良いと思ったからです。
「小学生を君に預ける。
頼む、みんなの成績を君の力で上げてくれ」
私のこの言葉に、彼は一瞬戸惑った表情になりましたが
「はい」の一言。
この一言だけで、この会話は終わったのです。
私はものすごく不安でしたよ。
今まで人に何かを任せた事なんて無かったから
「頼むぞ」「はい」で終わったこの会話に
何の意味があったのか?って思っていたんです。
預けると言ってはみたものの、
預けるって何か?という問いがあって、
また悩みました…そして、私なりに出した答えが
小学生の授業は見もせず、聞きもせず
終業時の報告だけ聞き、多少おかしいなと思っても
口を出さずに静観するということでした。
変化はまずこの真面目な講師に現れました。
報告の内容が濃くなって来たんです。
「宿題は問題なし、授業中の態度問題なし
演習も問題なし」という従来の報告から
「宿題の時間ですが30分しか掛からない
と言っていたので宿題を増やしました。
授業中に質問するところを必ず1つは
見つけてくるようにと約束してます。
演習に関しては、もう少し難しい問題を
中心にやらせたいので抜粋します」
という報告に変わってきました。
次に小学生に変化が現れます。
夕方くらいに、いろいろな小学生から
電話が掛かってくるようになりました。
私宛の電話ではなく、真面目な講師宛でして
内容は宿題の内容についてでした。
生徒は「大井先生じゃダメ!」というので
仕方なしに授業中の真面目講師を呼んで
電話口に出すと、
「うんうん、質問するところが見つからない?
あー構わないよ、その代わり先生が
ガンガン質問するからね、何にでも
答えられるようにしておいてね、じゃあさようなら」
こんな感じで電話を切るんです(笑)
ほーう…
これが生徒を預ける事の成果なのか?
少なくても今までとは違う生徒の意識の変化は
私も感じ取ってはいましたが、
それでも、まだ私は半信半疑でした。
そんなある日、
ちょっとした事件が発生します。
続きはまた明日。