伝説の男になる
22年前の今日、阪神淡路大震災がありました。
私は高校2年生でした。
その年の1年前に修学旅行で神戸を散策してまして
京都・奈良・大阪・神戸の中では
神戸が一番落ち着く街だと感じていましたので、
本当にショックでした。
22年という月日が経ちましたが
地震の恐怖、教訓はずっと伝えていきたいものです。
さて、昨日の続きです。
塾に入り点数は上がり始めたが志望校には全く届かず
志望校を変更すべきか否かで迷っていた私は
彼の部活の試合を観に行き、その時の彼の姿勢を見て
自分も「絶対にあきらめない」事を誓います。
部活が終わった後の彼は
一心不乱に勉強に打ち込みました。
点数の伸びこそ最初に比べて停滞しましたが
それ以上に一回一回の学習の質が上がったと思います。
彼からは「全ての事を吸収してやろう」という
執念のようなものすら感じておりました。
模試の結果は5割を下回る事は無くなりましたが
相変わらず合格可能性は「2%」のまま。
ある日、母親から私に電話がかかってきました。
内容は息子に志望校をあきらめさせてくれというもの。
学校の先生はほぼ100%無理だと言っていた。
うちの家には私立高校に行かせるお金の余裕は無い。
でも息子はあの通り頑固者なので、
母親が言っても絶対に気持ちを曲げない。
そこで息子が信頼している先生ならば、
あの子を説得してくれるはず。
という事でした。
私は彼を呼び
現状の点数と志望校との距離を説明しました。
実際にあと何点伸ばさなければならないか、
その為には何をすべきか、それがどれだけ大変か。
そして、最後に彼に問いかけました。
志望校を変えないという事は
本当に大変な道を進むことになるぞ。
100人いたら99人が不可能だという道を進むんだ。
大変なのは勉強だけじゃない。
周囲の人間の「お前は無理」という小言に
合格発表まで、いや一生付き合わされることになる。
精神的な負担もかなりのものだ。
でも、君は試合終了のホイッスルが鳴るまで
「絶対にあきらめるな」と言った。
今回は先生もその言葉に乗ろうと思う。
もしかしたら君ならばこの試合を
ひっくり返せるのかもしれない。
あの試合を観て、先生は確かにそう思ったんだ。
ただし間違いなく言えるのは、
これをひっくり返したとしたならば、
僕の生徒から「伝説の男」が生まれる事になる。
何百人という卒業生を出した私の心の中に
一生刻まれるし、語り継がれる事になる。
さぁ、どうする?君は伝説の男になるか?
彼の答えは「YES」
わかってはいましたが明快な答えが返ってきました。
私はまず母親を呼んで説明することにしました。
金銭的な部分に関しては
私立高校の特待生制度を細かく説明し、
もし彼が口だけで行動が伴っていないのであれば
1月末に志望校を変更する事を条件に
1回目の願書提出は
志望校変更なしで行くことを提案しました。
母親は私の話を了解してくれると、
涙を流しながらこの塾を選んで良かったと
言ってくれました。
この時は私も泣いてましたけどね(笑)
さて、いよいよ次回がラストです。