生徒に教わる
無事にセンター試験も終わりました。
難易度はそれほどでも無かったようですね。
みんな頑張れたかな?
不正行為が全国で12件あり、
そのうちの半分が北海道だったとの事。
情けないというか残念です。
さて、前回は私の生徒の話をしていましたね。
塾に入って少しずつ点数は上がってきたものの
志望校合格の点数には全然足りず、
どうしようか私自身も迷っていた生徒の話です。
その生徒の中体連の試合を観に行ったわけですが…
試合は終盤でした。私の生徒は守備。
彼の号令でラインを上げたり下げたり
している所を見ると守備の要なんでしょう。
その時点でいつもとは違う彼を見る事ができて
満足していたのですが、
1-1で攻守が激しく入れ替わる好ゲームに
しばし、私も見とれていました。
しかしロスタイムに試合が劇的に動きます。
相手チームのコーナーキックからのセットプレーで
逆転されてしまうのです。
その瞬間、私の生徒のチームメイトは
みんなガクガクと膝から崩れ落ちました。
その時です。
「おい!最後まであきらめるなよ!」
大声で叫ぶ選手が…私の生徒でした。
みんな立ち上がれない状態で
既に泣いている子もいる中で、
一人ボールをセンターサークルまで持って行き
試合を続行しようとしている唯一の選手が
私の生徒だったのです。
彼の言葉と行動は私の胸をえぐりました。
あの言葉は私に向かって
発せられた言葉なんじゃないかと…
私の心は決まりました。
試合終了後。
負けた悔しさで泣き崩れるチームメイトに
寄り添いながら、私の目の前まで来て
「ありがとうございました」と頭を下げていた彼。
私も大きな声で「ありがとう!いい試合だった!」
と叫んでいました。
そして、この日から彼の新しい試合が始まるのです。
可能性のパーセンテージを点数にするならば
98-2という点差をひっくり返さなければならない試合が。
そして私は彼の唯一のチームメートとして
絶対にあきらめずに
ここから8カ月間戦い抜くことを誓うのです。
本当に壮絶な8か月間が始まりました。
次回に続く。