可能性
センター当日です。
みんな緊張してないかな?大丈夫かな?
異常なほど寒いけど、太陽は出てますね。
神様ありがとう!
模試で可能性ってのが出てきますね。
合格可能性〇%もしくは、〇判定って奴。
何なんでしょうかね?あれは。
あれのせいで自分の人生設計が
「弱火」になるでしょ?(笑)
まぁ強火にしたいなら勉強しろってか。
その理屈もわからないワケではありません。
昔は私も模試からはじき出される可能性に
左右されながら進路指導をしていた人間です。
ある生徒に出会うまでは…
彼はサッカー部の副キャプテン。
漢気のある奴で皆の嫌がる事も
率先してやるような男でした。
塾に来たのが中学2年の2学期末くらいだったかな。
生意気にも家計を気にしていたようで
塾になんか行かないと言い張っていたらしいのですが、
さすがに成績がヤバイという事で
お母様に半分強引に連れてこられました。
塾に入って点数は上がりだし、それに比例して
彼の塾に対する信頼感も上がっていったわけですが
それとは裏腹に私は焦っていました。
彼の志望校が現状とかけ離れていたんです。
仮に当日点で8割取ってもギリギリ届くかどうか。
模試をやらせても8割どころか5割届かない…。
それなのに少し点数が上がってきたくらいで
ヘラヘラと笑っている彼に私は怒鳴りつけました。
お前の目標は何だ!全科目点数が上がったからといって
全く志望校なんか見えてないぞ、家のお金心配して
塾に行かないとか言ってた気概はどこいった?
志望校に合格して初めて塾に出したお金は必要だったと
言えるんじゃないのか?
彼は泣き出しました。中3のサッカー部のゴッツイ男が
私の前でオロオロと泣き出したんです。
じゃあ先生、俺はどうすれば良いんだよ…と。
言いすぎだったと私も反省しました。
どうすれば良いのかは私にもわからなかったんです。
今から彼に志望校を下げるように進言するのか
それとも騙し騙し志望校を狙わせて、
最後の最後に一つ下の学校に切り替えさせるか
この時の私には「今のまま」という選択肢は
ありませんでした。
6月だったと思います。
中体連(中学校体育連盟)の地区予選。
私はフラッと彼のサッカーの試合を見に行きました。
この試合の勝敗で全市大会に行くかどうかが決まる
みたいな大事な試合だったはずです。
私はここで、とても大切な瞬間を目撃する事になるのです。
次回に続く